2014年7月30日水曜日

物理攻撃があるならば、化学攻撃もあるんじゃないか。

と言う話は以前にtwitterかなんかで書いた覚えがある。
(いやまあ、「物理攻撃」と言う場合の対義語は「魔法攻撃」とかなんだけども)

物理攻撃:剣とか槍とか棍棒とか素手とかで切ったり突いたり殴ったりすること
化学攻撃:毒ガスとか硫酸とか、化学薬品で攻撃すること
生物攻撃:犬をけしかけるとか、病原体テロとか
地学攻撃:めんどくさくなるので自主規制。

特に戦車の弾頭なんかだと、
徹甲弾(APFSDSとか)を「運動エネルギー弾」、火薬の爆発力や熱を使う弾頭を「化学エネルギー弾」と言ったりしますな。

数学攻撃は「数の暴力」なので結局物理なんじゃねえのかと一瞬思ったが、
たとえば「ビットコインに市場経済を混乱させる意図がある」のだとしたら、けっこう数学攻撃っぽいのではないかと思わなくもないが、よくわからない。
経済攻撃(敵対的買収とか経済封鎖とか)とか法律攻撃(訴訟攻め)は普通にありそう。

で、今回申し上げたいのは、「物理的に無理」があるならば、「化学的に無理」もあるんじゃないか、と言うお話。

化学的に無理:水あかにも鉄さびにも黒カビにも強い洗剤
       ※混ぜるな危険

生物的に無理:関節はそっちには曲がらないからやめてください

地学的に無理:富士山にトンネルは掘れません

って感じかなあ。
オチが弱いというか、どれもこれもスケールが小さいなあ。

ちなみに、
「経済学的に無理」とか「法学的に無理」ってどんなんかと想像したがよくわからなかったが、
「経済的に無理」「法的に無理」っていうと単純に「お金がない」とか「それやったら捕まっちゃいます」になって、なんか急にスケールが小さくなるよね。

2014年7月28日月曜日

誰かこの現象に名前を付けてくれ。

コンピューターに詳しくない同僚に作業を頼まれたときによくあること。

1.アウトプットしてずいぶん経ってから「これどういうこと?」と、
  えらい子細な説明を(ネガティブな口調で)求められる。

2. 事前に聴いていた・理解した要件は9割9部達成しているのに、
  しちめんどくさい追加要件を要求される。

3.2.の要件がいまいち理解できないので理由を尋ねると、
  「要るから」「どうしても要るから」とマトモに説明してもらえないか、
   途中で急に興味がないような態度を取られる。

4.2.の要件を満たすための作業負荷がどう見ても要求に対して過大なので断ると、
  そもそも必要性に立ち戻って考えるのではなく、
  「そんなこともできないのか」と逆切れされるか、あからさまにがっかりされる。

いやあ、わかってるんだよ。
ヤツらは基本的に成果にしか興味がなくて、それを実現するのにどれだけ負荷がかかるかなんて想像もしないこと。

だってやったことないんだもん。
もしくはやってもできないんだもん。

この手の話は逆に、技術に明るくない人がワカゾーに
「こんなこともできないんすか」って言われるみたいな話ばっかクローズアップされるけど、
ヤツらの過剰な要求に起因するものも、
もうちょっと注目されていいと思うんだよね。

2014年7月25日金曜日

徹子の部屋にドラえもん。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140724-00000355-oric-ent

ちょっと見たい。

よく考えると、27時間テレビでフジがやる
「サザエさんにSMAP役でSMAP」
の逆パターンなんだなこれ。

「笑っていいともにガチャピン・ムック」っていうのは絵面としてあったような気もするが。

次は「徹子の部屋に初音ミク」か。

大砂嵐のかち上げ。

基本的にはルールで禁止されてないことをやって何が悪いのか、と思う。

ドロップキックや右ストレートをぶち込んだ、と言う話とはわけが違う。

理由が「相手に怪我をさせるから」と言うのだと弱くて、
柔道が「組み合って技をかける競技だ」と定義したように、

「相撲とはxxxxをする競技である」

という定義をきちんと行って、その中で

「大砂嵐のかち上げは相撲的ではない」

という結論にならなければならない。

まあ、ヒントとしては、「横綱相撲」とは何ぞや、と言うときに、
「がっぷり四つで相手の突進を受け止めて押し出すことだ」
 と言うような定義だろう。

だからたとえば奇襲戦法(立ち合いの変化)のようなものや、土俵際の逆転戦法みたいなものは、横綱の取り口としては嫌われる。
(小兵で業師タイプだった若乃花(三代目)が、ふつーに投げ技で勝っても「横綱的でない」って言われた時は意味わかんなかったけど)

そこから整理すると、相撲は
「四つに組んで押し合う競技である」
と定義すべきなんだろう。

張り手やかち上げや立ち合いの変化は実力が拮抗した相手と組み合う際に、
有利な組手となるような『駆け引き』の一環であって、それによって相手を倒すための技ではないと。
大砂嵐が横綱を目指すのであれば、なおさらああいう技は使うなとは言わないけど頼っちゃいけないよと。

じゃあ曙あたりの突き押しはどうなんだよ、とか思うわけですけれども。
わたしゃそもそも相撲ファンじゃないんでわかんないから、それよりプロレスの話しようぜ(笑)。

STOP。

歌詞とかの"STOP" を"STAP"に置き換える遊び

と言うのをやっている人が結構やっているわけだが。

やはり

"STAP IN THE NAME OF LOVE"

が、味があるのではないかと思う。

つまりSTAP理論は科学の名の下ではなく、
愛の名の下に生み出されたものであると。

いろいろ深い。
余計な下の句はつけないように。

ちなみに曲名を"IN THE NAME OF LOVE"だと思ってて出遅れた。

2014年7月2日水曜日

5



「お前がプロレスを知らないのは、メディア良化法で規制されてるからだ。

 相撲や柔道みたいに伝統もなく、ボクシングやアマレスみたいに競技として整備されたルールもない。

 だから危険で、乱暴な見せ物なんだってよ」

男の口調には、若干の苛立ちが含まれていた。

「でもな。見てみろよ。お客さんたちを」

男はリングを指していた指を、すっと客席に向ける。

そこには、笑顔で立ち上がり、選手に歓声を送る、老婆の姿があった。

「あの婆ちゃんたちは、たぶん社長の……ああ、今戦ってる、ごつい方の人な。

 その社長の師匠、マジェスティ矢羽の時代からプロレスを見てるんだ。

 見ろ、あの婆ちゃん、普段はたぶん杖ついて歩いてんのに、今は飛び上がって拍手してる」

たしかに、老婆の足元には杖が転がっている。

「ただの残酷ショーで、人があんなに元気になるわけがないんだ。

 ……まあ、社長の受け売りだけどな」

男がそう語るさらに後ろの草むらでがさり、と音がする。

「……小林」

「広目(こうもく)さんですか」

サキが声のした方を振り向くと、草むらに長髪で大柄の男がしゃがんでいた。

まわりが暗いせいもあるのだろうが、その男の陰影の強い顔立ちと、迷彩服越しでもわかるごつごつした体型は、長髪と相まって、サキに社会科で習った「原人」という言葉を思い出させる。

広目と呼ばれた大柄の男は、彼が小林と呼んだ、サキにプロレスの説明をしていた男に話を続ける。

「ここはもうダメだ。社長たちに合図を」

小林はため息をついて、テーブルの下からいたのついた金属のベルと、木槌を取り出す。

「奴ら、やっぱり嗅ぎ付けてきましたか」

小林の言葉に、広目は答える。

「ああ。斥候を3人ばかり眠らせてきたが、そろそろ後詰めに救助されてる頃だろう」

そう言って広目はゆらりと立ち上がり、周囲の暗がりに目を走らせる。




カーン!!

小林が唐突に打ち鳴らしたベルの音が辺りになり響く。

それに気がついたらしい「社長」と呼ばれた男が、両手を握りしめて客席にアピールする。

そのままリングに伏せていたヤシチの後頭部を左手でつかんで引き起こすと、周囲に見栄を切ってから、右腕をヤシチの喉元めがけて振り抜くと共に、体を浴びせる。

リング上にもう一人立っていた、ポロシャツ姿の男が這いつくばり、マットを3回叩く。

今度はリングサイドの折り畳み机の上でベルが連打され、会場がわっと湧く。




「・・・間に合わなかったか」

広目がそう呟き、姿勢を低くしてリングの方向に走り出す。

小林もちっと舌打ちし、さっきのベルと木槌を抱えて後に続く。

リングの周囲の男たち(大柄で派手なメイクの女性の姿も見える)が、観客に何かを語りかけるのがサキの目に入った瞬間、会場の周囲の仕切り布が乱暴に取り払われ、影のようなものがいくつも飛び出してくる。

4



「プロレスだよ」

男はもとの調子で答えると、今度は幕の方に視線を向ける。

「え、何ですか?それ?」

男はサキの方を一瞬睨むように見て、またか、というような顔をした。

「・・・格闘技だ。世界最強の」

男はため息混じりに答える。

サキは今一つピンと来ていない。

「カクトウギって……柔道とか、お相撲とか」

「……まあ合ってるけどね。

 あんたぐらいの年なら、プロレスのポスターぐらい見たことあるだろ?」

「私、中1です」

男はまた目を丸くし、サキの全身を見回す。

「……ポスト良化法世代かよ」

ポスト良化法世代。

成化xx年のいわゆるメディア良化法施行後に生まれ、表現規制が当たり前になってから生まれた世代を、社会ではそう呼んでいた。

男がサキをずいぶん大人に見ていたらしいことは、会話の端々から感じ取れた。

同世代に比べ背が高く、年上に見えることを気にかけていたサキにとっては、それはいつものことではあるのだが。




「えーい!」

男は黒いボサボサ頭をかいて、やおら立ち上がる。

「じゃあお前、ちょっとここに座れ」

男が自分を呼ぶ口調が「あんた」から「お前」に変わったことを、サキはまだ気づいていない。

そういうと、自分の座っていた椅子を指差す。

「いいか、まずお前は中学生だから、入場料は半額!」

サキが椅子に座ったのを待つと、男は後ろからサキの頭を両手で挟む。

「それから、ここは場外だから、500円引き!」

中がやっと見渡せるだけ開いた幕の隙間に視線を合わせさせた。

「見てみろ、これがプロレスだ!」




眩しい白熱電球の灯りに照らされた下に、正方形の舞台のようなものがあり、その四隅に柱が立っている。

柱同士は3本のロープで繋がれており、その中で全身黒づくめの男が、見るからに頑丈そうな大男に向けて、空中で逆さまになって体を浴びせていく。

黒づくめの男の胸が相手の頭から胸にぶち当たった瞬間、男たちは折り重なって舞台に倒れ込む。

ばん!という大きな音が鳴り、多いとは言えない観客のおおっ、という歓声が沸き起こる。

「あれがブファドーラ。ヤシチさんの得意技のひとつだ」

男が椅子に座ったサキの頭の上から話しかける。

その後も舞台の上では目まぐるしい攻防が続き、大男が自分の手のひらをヤシチと呼ばれた男の胸に叩きつける破裂音や、さっきのように人間が舞台に落下する衝突音など、様々な音に彩られていく。

「怖いか?」

また頭上から声が響く。

「いえ。大丈夫です」

サキは舞台から目を離さずに答える。

「ふーん。珍しいな。もっと怖がると思ったけど。

 まあいいや。さっきお前が言ってた相撲とか柔道ってのは、日本の伝統競技で、だから今でも保護されてる」

男は、問わず語りに話し始める。

「他にも、オリンピック競技になってるボクシングとか、アマレスなんてのもあってな」

「アマレス?」

サキは聞いたことがない単語に首をかしげる。

「ああ、今は単にレスリングって言うのか。

 俺たちはアマチュアレスリング、略してアマレスって呼ぶんだけどな」

男は言葉を続けた。

「で、あれがプロレス。プロフェッショナル・レスリングだ」

そう言って男は、サキの頭越しに舞台……リングを指差した。