2015年10月2日金曜日

[就職できない学生は3分面接すれば充分に分かります。]っていうコピペ


が、ときどき思い出したように話題になるらしい件。
読んでみたけどひでえ文章だなこれ。

全体として文章の論理構造が脆い。基本的な単語選択や文法の誤りまで見受けられるので、
結論としては、こいつ自信が持てるスキルも、高レベルで趣味や部活動などに打ち込んだ経験もない、ただの意識高い系のキョロ充学生だと思う。

もしこの文章の執筆者がどっかの企業の人事担当者だったらそんな会社のレベルが窺い知れる。こんな文章書くやつの会社に入っても百害あって一利もない。


と言うわけで、一回バラバラにして全ツッコミしてみる。
就職できない学生は3分面接すれば充分に分かります。 
    「就職できない」とは?
    一生どのような職業にも就きえないのか、新卒正社員採用が叶わないのか、
    自分の会社では採用しない、と言う話か。
    もし「自分は採らない」と言うレベルを敷衍して
    「おまえみたいなやつ一生どんな仕事も務まらないよ」
    と言っているのであれば、何様のつもりか、だし、
    このレベルで「就職できない」んだったら、生活保護で国が破綻する。

  ついでに、この『分かる』の使い方、あんまり文法的に正しくなさそう。


特徴を挙げると、大人しい、社会人として考え方が子どもっぽい、読書経験がなく柔軟な思考力が欠如している、スポーツ経験ゼロ、恋愛経験ゼロ、声が小さい、このような要素が必ずあるものです。 
    「要素」の列挙であるので、そりゃどれか一つぐらいあてはまるだろう。
    ついでに言うと、
        ①
        ・社会人として考え方が子どもっぽい
        ②
        ・大人しい
        ・声が小さい
        ③
        ・読書経験がなく柔軟な思考力が欠如している
        ・スポーツ経験ゼロ
        ・恋愛経験ゼロ
    の、グループごとの因果関係が希薄。
    さらに、
        ・読書経験がなく柔軟な思考力が欠如している
        と言う部分は、前後で別の、直接の因果関係立証してないことを
        言っているのであり、執筆者の文章力が疑われる。

 もちろん基礎学力は必要ですが、スポーツ経験と恋愛経験というものは意外に仕事の出来不出来にかかわってくることが多いようです。 
    総論から各論への転換部分なので不評価。
会社組織において仕事のできる人は異性にもてています。 
    「仕事のできる人」は「優秀な人」なので、
    そりゃ小学生時代の「かけっこが速い子」と同じでモテるでしょ。

告白、口説きなどの一連の恋愛のプロセスは、社会に出てから商談事などで要求される交渉力と似通っており、大学卒業時点でもろくに恋愛経験がない学生は使えないと言っても差し支えないでしょう。 
    そもそも学生時代に必要な恋愛のプロセスとやらの内容と、
    商談における「似通った」それのレベルが段違いでしょう。
    ついでに、いわゆる「パラノイア」気質の人間は「異性から見ると魅力的」
    と言う特徴があるそうですが。

 一方でそのような学生は「お人よし」なケースが多く、毅然とした態度で接することができないおっとりしたのんびり屋さんです。
ほかにも道はあるでしょうが、企業組織内ではいちはやく淘汰される対象です。

    いやあ。
    非モテにもいろいろいますよ。
    というか、
    「お人よし」とか「おっとり」とか「のんびり屋」と、
    毅然とした態度で接することができない っていうのは、
    全然レベルが違う話。

この厳しいご時世、大人しい秀才よりも多少生意気で猛々しい学生をほしがる企業が増えています。
スポーツ経験がある学生は、集団行動や人間関係面で長けている場合が多く、非常に有利でしょう。

    「生意気で猛々しい」と、「集団行動や人間関係面で長けている」が繋がらない。
    ついでに言うとスポーツ経験の利点は「達成度が可視化される」経験、
    ってのもあるんだと思うけど。
    というか、スポーツじゃなくても集団行動が必要で、達成度が可視化される
    分野はあるぞ。
    典型的なのは合奏・合唱系とか、演劇系とか。
    「もしドラ」にも似たような主張があったけど、何だろうねこの体育会系礼賛。


ほかに要求されるのは、読書経験です。IT化に伴い、書物をじっくり読む機会は減っていますが、読書で得られたものは必ず生きてきます。インターネットでは、今のところ思ったより知識や思考の柔軟性は身に付かないようです。私が出会った企業人の懐の深さは豊富な読書経験によるところが多かったように思うのです。

    要求していることは「知識や思考の柔軟性」であって、読書そのものではない。
    「私が出会った企業人」の時代に、今の豊富なネットコンテンツはあったのか。


 皆さんは、スポーツ、読書、恋愛などを通して学生生活をエンジョイしてください。
これらのことは時間のとれる大学時代にしかできないことです。
    いや、社会人になってからも積極的に趣味に取り組んでる人いますけども。
    というか、学業どこ行った。


また気の合う仲間だけでなく、色々な人と出会って話しをするくせをつけましょう。
    集団行動はスポーツ経験から身に付く、と言う主張が、
    「色々な人」との交流経験が薄いことを物語っている。
    ついでに、
    「はなしをする」と言う場合の「話」は名詞なので、送り仮名は不要。
    弊社なら破り捨てられます。


大学時代を楽しめた学生の多くは希望の会社に就職しています。学生時代に築いた人脈は、確実に良質な肥料となるでしょう。
    なんか宗教めいてきたな。しかも人材教徒か。

 学生が思っているほど、学歴は関係ありません。学習歴、実力が問われる時代が到来しています。
    実力とは何を指しているのか。
    総合力、と言うならわかるのだが。


大人しく青白い秀才は、百害あって一利ない、排除すべき対象だということを銘記しておいてください
    そして最後は「すべき」論。なんだ願望か。

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